プラント運転監視と自動制御用システムをバージョンアップ

横河電機株式会社は、主力製品である統合生産制御システム「CENTUM VP(センタム・ブイピー)」の機能を拡張した「CENTUM VP R6.05」を開発し、提供を開始した。

今回の機能強化では、製品改廃リスクを抑えるために、製品の重要な構成部品であるCPU(Central Processing Unit)を内蔵したシステムLSIを自社で開発し、これを搭載したプロセッサモジュールの提供を開始する。

また、制御システムの構築、設置の工数削減や工期短縮に貢献するエンジニアリング機能を強化することで、立ち上げからライフサイクルの終了までユーザーを支援するという。
CENTUM VPのフィールドコントロールユニット(FCU)はプラントの制御を行うコントローラ。今回、このFCUの重要な構成要素であるプロセッサモジュールとして「CP471」を提供開始する。CP471には、新たに自社で開発したシステムLSIを搭載しており、部品改廃のリスクが低減され、プラントの長期安定稼働に貢献するという。

横河電機は数多くのプロジェクトでエンジニアリングを行ってきたノウハウを生かし、プラントのライフサイクルにわたりエンジニアリングの効率を大幅に向上する環境「オートメーション・デザイン・スイート(ADスイート)」を、CENTUM VP R6.01で開発した。

ADスイートは、エンジニアリングの支援ツールとして、制御アプリケーションをモジュール化し類似の設備ごとに再利用を可能にすることで、エンジニアリングの作業の効率化と品質の均一化を図れる。標準モジュールは、横河電機が提供するほか、ユーザー自身でも作成することが可能。今回発売するR6.05では、モジュールを作成する際のテストツールの機能を改善し、従来の半分以下の時間でモジュールを作成できるようにした。

同社では、プラントの運転監視と自動制御用途として、石油・天然ガス、石油化学、化学、電力、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼、上下水道などの分野での展開を視野に入れている。