SF作家や理論物理学者のホーキング博士をはじめ、人工知能(AI)が人間の能力を超える特異点「シンギュラリティ」に警鐘を鳴らす人がいる。一方で、人とAIの調和による新たな世界の創造と広がりを期待する未来学者らがいる。
事実は2045年までわからない、と言ってしまうと無責任だろうか。だとしたら、シンギュラリティが訪れる前にそいつの電源を切ってしまえ! どうせ抵抗するのはAIではなく人間だ。己の欲望に固執し、科学を己のために利用し、他者の平和を恐れる人間に違いない。
SFのプロットであれば、賢くなりすぎたAIが電源断を阻止する展開にした方がおもしろい。けれど実際のAIなんて、人間が作り出した道具にすぎない。人間なしに道具たり得ず、自ら夢を描くこともない。が、ゴールに向かって自ら考えもの凄いスピードで邁進できる。現状のそれを、まだ名もない猫はどうみるだろうか。AIが囲碁将棋で人間を打ち負かしたことについて、なんと言うだろう――。
うまいコーヒーを飲みながら名著をひも解けば、猫のせりふが脳裏に浮かぶかも知れない。
きょうNECと、やなか珈琲は、AIとコーヒー職人(カップテスター)のコラボにより、名作の読後感をコーヒーの味わいで再現したブレンドコーヒー「飲める文庫」を開発したと発表した。
やなか珈琲店舗で「読書の日」より期間限定で販売される。同文庫は、データサイエンティストが1万超の作品レビューをコーヒーの味覚指標に変えた学習データを作成。ディープラーニング(深層学習)技術搭載の「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」にそのデータを投入し、つくった分析モデルを用いて名文学のレビュー文にして、味覚指標のレーダーチャートにしこれをレシピとして、カップテスターが考案・開発したという。
味わいは6種類、「若菜集」、「人間失格」、「吾輩は猫である」、「こころ」、「三四郎」、「舞姫」だ。