診療所のカルテと画像診断装置をオンライン連携

サラリーマンの星である。田中耕一さんが「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」でノーベル化学賞を受けられたは15年前。シニアフェローになられた今も、1滴の血液から病気の早期発見ができるよう、研究開発に励んでおられる。

新卒で入社された島津製作所において――。

その島津製作所はきょう、院内の様々な機器と連携して診療所業務の効率化を支援する無床診療所向け統合型電子カルテシステム「SimCLINIC T3α XLink package」を発売する。国内において、電子カルテの導入率は年々上昇――都市部の診療所やクリニックの新規開業時には9割以上がそれを選択し、医療分野でも進む施設内のICT(情報通信技術)化に合わせてニーズが拡大しているという。

同社のX線画像診断装置で長年培ったノウハウを生かした電子カルテシステムは、画像データの一元管理などに強みがある。全国的なサービス網によって安定した運用を支えている点なども評価され、画像診断を行う国内の内科や消化器科、整形外科など、多くの施設で稼働しているとのこと。

ここに今回、新製品では、画像診断装置と電子カルテシステムの間でオンラインに患者情報を連携する機能(国際標準準拠)を診療所向けのしくみとして国内で初めて標準搭載した。

上記新機能により、画像診断装置へ患者情報を手入力する作業が不要になるため、診療所内のワークフロー改善やヒューマンエラーの低減、安全性の向上が期待できる。電子カルテ機能・医用画像表示機能・診療報酬請求業務支援機能を統合した無床診療所向けの同製品は、Windows10に対応、メモリの倍増によりスムーズで快適な動作を実現した。

医用デジタル画像や通信に関する国際標準規格であるDICOMに準拠しているため、X線撮影装置や超音波診断装置、内視鏡検査装置、CT装置、MRI装置など、他社製も含めた様々な画像診断装置と連携できるという。