AI解析の走行レーン別渋滞情報をナビに

混雑時、右のレーンを走るか左を行くか、迷った挙句の選択にがっかりすることがある。どっしり構えてひたすら真っ直ぐ行く方が速いとの説もある。みなが右往左往すれば渋滞をいっそう長くする原因になるし――。そんな状況に人工知能(AI)が救いの手を差し伸べる。

車載通信機(DCM)の実用化後、エアバッグ作動時の緊急通報サービス、ナビ地図の自動更新サービス等を展開。6年前から、DCMによるビッグデータを「Tプローブ交通情報」として純正ナビやスマホナビに提供している。トヨタ自動車は、都内500台のタクシー車両にて通信型ドライブレコーダで収集される画像やデータを解析し、「TCスマホナビ」(Google Play版Apple iTunes版)に「レーン別渋滞情報」として配信するサービスを来春より開始する。

全国ハイヤー・タクシー連合会との実証実験の成果だという。今回開発の「レーン別渋滞情報」は、ドライブレコーダー「TransLog」からの「走行画像データ」をAI解析することにより、車線ごとの混雑具合を知らせる。これにより従来道路の区間単位でしかなかった渋滞状況が、車線単位に認識でき、その状態を画像でも確認できるようになるという。

来春の実証サービスにおいて、情報の提供範囲は東京都心部、利用はTCスマホナビのみとなるが、ユーザーの利用状況や、各種の技術的評価を行い、提供地域および情報端末の拡大も検討していく。タクシーの走行画像データからは、工事規制や事故車両の情報、路上の障害物、駐車場の満空状況や道路沿いの店舗の混雑状況などが得られる。トヨタは、それらの情報を即時抽出し、新たな交通情報サービスとして提供する開発を進めている。次世代のタクシーの可能性を全タク連とともに探求していくという。

「レーン別渋滞情報」は、第45回東京モーターショー「TOKYO CONNECTED LAB 2017」にて披露される予定だ。