つながる車とともに語られる自動運転車両。その定義はここ数年の間に進化し、国によってもやや異なる。けれど、ドライビング支援、一部自動運転、完全自律走行といった根本は明確であり、安全最優先とともに不変だ。
自動ブレーキなどもすでに実用化されている。いま高速道路等での自動運転の実証実験が始まっている。そして、完全自律走行時代に向けて、自動車メーカー、電機メーカー、IT企業が三つ巴で技術開発にしのぎを削っている。先進各国の行政府も法とインフラ整備でそれを支援し、世界市場で国ごと優位に立とうとしている。
自律走行技術の進歩は、大量生産車の出現以来経験していない業界全体の大変革を進める触媒である。電子技術が、既存の境界を越えて進化する自動車のサプライチェーンに革命を起こしている。たとえば、有力サプライヤは、固有の価値提供のためにSoC(システム・オン・チップ)を設計・構築できるIP(知財)を活用しているという。英アーム社は、「安全第一」に向けた最新Arm IPライセンスをデンソーが取得したとブログで発表した。
デンソーの高度に自動化されたドライビングシステムと車両制御用として、Cortex-R52プロセッサ――当該アプリ要求を最適な性能で満たせる、車載半導体デバイスのリファレンス・プラットフォーム設計用――のライセンスが提供された。
厳しい機能安全レベルと制御をリアルタイムで実現する。Arm IPによって、デンソーは柔軟な拡張と容易な管理を行える環境で、一貫性のあるアーキテクチャ上にソフトウェアを構築できる。Cortex-R52は、安全重視のコード分離をハードウェアで強制する。この強力な分離機能によって、ソフトウェア統合・保守・検証を容易にし、開発のスピードアップ、安全認定に必要なコード量を減少させるという。
自動車向け技術は、米国シリコンバレーで開催の「Arm TechCon」にて披露される。