ADASがまた一歩前進

交通事故を未然に防ぐ、技術の開発が加速している。それは近未来の自動運転車両に搭載されるだけでなく、今、ドライバーの操作をアシストする「先進運転支援システム(ADAS)」として、軽自動車から大型車両にまで普及し始めている。

ADASの目標は、他車や歩行者をも含む総合的な交通安全を支援することである。そしてADAS自体はドライバーの運転時の快適さ、燃費や環境性能の向上にも貢献できるものだという。それらをいちはやく市場で実現すべく、「Renesas autonomy™」コンセプトを立ち上げたルネサス エレクトロニクスはきょう、ソフトウェア統合開発環境「e2 studio」を車載情報・ADAS用SoC「R-Car V3M」に拡充し、来年第1四半期より提供開始すると発表した。

OSS統合開発環境Eclipse CDT (C/C++ Development Tooling)をベースとする、RZファミリ、Renesas Synergy™などのルネサス製デバイスに対応した既存のe2 studioに今回、R-Car向け新機能を追加したことにより、自動運転に向けたソフトウェアを効率よく開発できるようになる。

ルネサスの低消費電力・高性能SoCは、多様なIP (知的財産)を組み合わせたヘテロジニアスアーキテクチャを採用。それぞれのIP独自のプログラム言語、ツールチェーン、トレースインタフェース、デバッグプロトコルを使用することで、開発者はIPの機能、性能を最大限に引き出し、自動運転を実現するための多様なソフトウェア、アプリケーションを開発できる。ここにR-Car V3Mの画像認識エンジン「IMP-X5」をはじめとする各IPの演算性能と低消費電力性能を余すところなく活かせる機能を加えたという。

同社の製品群は、来週からドイツで開催の「EclipseCon Europe 2017」に展示される。