東北メディカル・メガバンク機構と国立長寿医療研究センターと超高齢社会における健康寿命の延伸に向け連携

東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)と国立長寿医療研究センター(以下、NCGG)は、共同研究を実施する契約を2017年8月に締結し、共同研究を開始した。超高齢社会における健康寿命の延伸に向け、バイオバンク間連携での研究に取り組む。

共同研究では、NCGGバイオバンクが保有する認知症などの老年病を中心とした患者由来の検体と、東北メディカル・メガバンク計画(TMM計画)の一般住民由来の検体を統合解析するなどし、直面する超高齢社会における健康寿命の延伸に向けた研究に取り組む。

具体的には、ToMMo 3,500人の全ゲノムリファレンスデータと、NCGG 10,000人のジャポニカ全ゲノムジェノタイピングデータ統合による日本人に特化した大規模ゲノムワイド関連解析を用いた老年病感受性遺伝子の同定、解析と疾患発症予測モデルを構築する。

また、NCGG全エクソーム、全ゲノムシークエンスデータと、ToMMo全ゲノムシークエンスデータの比較解析による老年病原因、関連遺伝子を同定する。ToMMoコホートデータを用いた疾患関連遺伝子、疾患発症予測モデルや重症化予測モデルを検証する。これらの解析を統合することによる老年病の新規予知予防法の開発、ドラッグリポジショニングや新規創薬ターゲット分子の同定と解析を行う。さらに、東北地方と中部地方における地域特性の検証や健常高齢者とその加齢特性を解析する。

ToMMoが運用するバイオバンクと、NCGG メディカルゲノムセンター・バイオバンク(NCGGバイオバンク)が一翼を成すナショナルセンターバイオバンクネットワーク(NCBN)は日本の3大バイオバンクのうちの2つであり、今回、両機関の連携を皮切りに今後のオールジャパンでゲノム医療などを支援する体制構築につなげていくことを目指す。