OSSベースのIT自動化基盤によりITガバナンスを強化

三菱総研DCSは、自社が提供するクラウドサービス「FINEQloud」にて、レッドハットが展開するオープンソースソフトウェアのIT自動化基盤「Red Hat Ansible Tower」をレッドハット認定クラウド&サービスプロバイダーとして2018年1月から提供する。

Ansible Towerは、エンタープライズ向け自動化基盤であり、ソフトウェアなどの設定作業の自動化や設定・変更などの一元(構成)管理を実現し、エージェントソフトウェアをインストールすることなく利用できる。市場での評価の高いオープンソースプロジェクトをもとに構成され、煩雑になりがちなアプリケーションのデプロイを管理する際にも役立つ。

また、定義ファイル(Playbook)によるタスクの自動実行によって、作業効率・生産性を向上。適切な権限分離や実施ログの取得により、企業のIT活用を監視・規律するITガバナンスを強化する。

Ansible Towerの導入により、FINEQloud環境や他のクラウドサービス、オンプレミス環境にまたがるハイブリッド環境でもシステム運用の効率化、標準化、ガバナンス強化などのメリットが得られる。DCSによると、利用企業のIT運用自動化や既存システム管理の省力化などにつながることから、戦略的なIT投資へのシフトを可能にするという。

DCSでは、サーバの構築や変更、削除、アプリケーションデプロイを、スピーディに実施できる開発・検証環境を構築する場合や、システム変更作業に対し、ガバナンス強化を図りたい場合などに適用できると説明する。

FINEQloudで提供するAnsible Towerは、月額1ノード単位のサブスクリプションを採る。従来のオンプレミス用リテール版(年額100ノード単位の提供)では費用対効果の見込めなかった企業でも利用可能。さらに運用の効率化、ガバナンス強化を課題として、PoC(概念実証)の実施、一部システムからの段階的な利用を検討する企業、無償のコミュニティ版から移行を検討する企業でも迅速かつ初期投資を抑えた形で利用できる。

DCSは、2013年からOSS製品を採用している。今後1年以内にOSS分野ではFINEQloud上での取り組みを強化し、企業のビジネスへの貢献とOSSの普及を推進していく予定。