NEDOと日本気象協会、ドローンによる気象観測の実証試験

新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)と日本気象協会は、2017年10月24日から26日の3日間、ドローン向け気象情報提供のデータ連携の実証試験とドローンによる気象観測の実証試験を福島県南相馬市の福島浜通りロボット実証区域で実施する。

ドローン向け総合気象情報提供機能の開発に向けた実証試験では、ドローン離発着場での地上気象観測とドップラーライダーによる上空の風観測を行い、その観測データと実証エリア付近の気象予測をドローン運航者とドローン航空管制事業者へ試験提供を行う。

ドローンによる気象観測の実証試験では、気象センサーを搭載したドローンを飛行させ、高度50メートル、100メートル、140メートルの気象観測を行う。この結果は、ドップラーライダーの観測との比較により精度を検証し、今後の開発に役立てる。

今後、これらの実証試験で得られた知見を基に、ドローン向け総合気象情報提供機能の開発を進め、ドローンの利活用拡大と安全で効率的なドローンの運航の実現を目指す。

また、この実証試験では、同期間中に日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)が主催する「2017年度JUTM福島社会実証:人とドローンが共生する未来社会の実現に向けて」に参加する17事業者に気象観測や予測のデータを提供し、より多くの利用者のニーズの把握を行う。

NEDOは、「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」において、物流やインフラ点検、災害対応などの分野で活用できる無人航空機およびロボットの開発を促進。また、社会実装するためのシステム構築、飛行試験などを実施している。

日本気象協会は、ドローン運航管理システム向けの総合気象情報提供機能の研究開発に取り組んでいる。ドローンの活用を物流、インフラ点検、災害対応などの分野で進めるためには、ドローンの安全飛行を妨げる突風や豪雨、雷、霧などの気象現象を、詳細かつ正確に把握し、予測することが重要だ。日本気象協会は、ドローン向け気象情報を「把握」「予測」「提供」する技術の開発を進めている。