ブロックチェーンを利用した本人確認の仕組みを公開

GMOインターネットは、ブロックチェーンを利用したプログラムをオープンソース(改変可能・商用可能ライセンス)として公開する「GMOブロックチェーン オープンソース提供プロジェクト」の第5弾として、「KYC」のオープンソースを公開した。

KYC(Know Your Customer)とは、新規に口座開設する際に銀行側から要求される、顧客本人の身元確認における書類手続きの総称。今回オープンソースとして公開するKYCは、これをブロックチェーン上で実現することで、本人確認にかかる人的・金銭的コストの削減が実現できるプログラムだ。ブロックチェーンは、データを複数のコンピューターに分散して記録・保持する技術のことで、「改ざん」「データ消失」「停止」が非常に発生しにくいという特徴を持つ。

現在、GMOブロックチェーンOSSでは、この仕組みの実用化に向けて、GMOグローバルサインと共同で、認証事業者向けのスマートフォンアプリの開発と実証実験の準備を進めている。

KYCでは、アドレスと対になった「鍵」の所有者しか処理できないというブロックチェーンの特徴を活かした仕組みを持つ。利用者が認証事業者によって身元などが認証済みの個人情報を、本人のブロックチェーンアドレス(=公開鍵)と関連付けてブロックチェーン上に記録する。これにより、銀行などのサービス登録時に必要となる本人確認を簡単かつ迅速に行える仕組みとなっている。

一度認証事業者を通じて本人認証を行えば、銀行の口座開設やクレジットカードの作成、トークン取引所での取引開始などの本人確認が必要な場合において、利用者が提供を承諾した個人情報と、ブロックチェーン上に記録された情報を照合する形で本人確認が行える。そのため、これまで書面の送付などによる本人確認で負担となっていた作業と金銭的なコストを削減できるという。

KYCによる本人確認の仕組みをGMOブロックチェーンOSSで提供している各種プログラムと組み合わせることで、さらに高度なサービスを実現可能になる。例えば、トークンの取引所を構築できる「トークントレーダー」では、取引に参加するユーザーに本人確認の仕組みを取り入れることで、信頼性が担保する。また、不正転売の抑止とチケットレス化を実現する「転売抑止チケット」と組み合わせれば、本人確認済みの利用者でしか購入できないチケット販売システムなども構築できる。