サイプレス、3Dグラフィックス対応の新しい車載MCUを発表

サイプレス セミコンダクタは「Traveo車載マイクロコントローラー(MCU)」製品群に新シリーズ「Traveo S6J32xEK」を追加したことを発表した。より大容量の内蔵メモリと3D・2.5Dグラフィック・エンジンを単一チップに統合し、拡張性を高めた。

S6J32xEKは、3Dグラフィックスと最大6個の従来型メーターのハイブリッド・インスツルメント・クラスターやヘッドアップ・ディスプレイ向けにより大容量のメモリを搭載するなど様々な機能を統合したシングル・チップ・デバイス。

3Dおよび2.5Dの高度なグラフィックス エンジンを搭載し、ピン数の少ないサイプレスの「HyperBusメモリ・インターフェース」で拡張性を高めることができる。Traveo S6J32xEKシリーズは、最大4MBの大容量組み込みフラッシュと、512KBのRAM、2MBのビデオRAM、動作周波数240MHzの「Arm Cortex-R5」コア、LVDS(Low-Voltage Differential Signaling)ビデオ出力、LVTTL(LowVoltage Transistor-Transistor Logic)ビデオ出力、6個のステッパー・モーター・コントロールを搭載する。

この組み合わせにより、2つのディスプレイを駆動可能なシングル・チップ・ソリューションを提供。また、12ピンのHyperBusメモリ・インターフェースを最大2つ搭載できる。グラフィック・データやその他データ、コードの読み込みおよび書き出し性能を向上させる。単一のハイパー・インターフェースを使用して2つの2メモリに接続し、FOTA(Firmware Over-The-Air)アップデートを実行できる。エンドユーザーは車載ソフトウェアの修正や新しい機能、アプリケーションのインストールを車の走行中にも実行可能。

また、今回発表されたデバイスは「CAN FD(Controller Area Network-Flexible Data)」や「Ethernet AVB」など、インスツルメント・クラスターに必要な全ての車載ネットワーキング規格に準拠している。さらに、eSHE(enhanced secure hardware extension)もサポートするなど強固なセキュリティを提供する。