金融とIT(情報技術)の融合によるフィンテックが注目されている。いま、仮想通貨の中核をなすブロックチェーン(分散台帳)技術は、金融業界だけでなく、証憑や知財の管理、物流および製造プロセスなどにも応用されつつある。
情報の改ざんや不正使用が困難な仕組みを持つ点から、次世代の分散型データベースとも呼ばれ、予め合意された契約を自動執行するスマートコントラクトの仕組みを持つという。凸版印刷とCACは共同で、ブロックチェーンと人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)を組み合わせたProof of Concept(概念実証)のサポート体制を構築。そのサポートサービスを、まずは金融機関向けに来月から提供開始すると発表した。
CAC保有のブロックチェーン技術やAI技術と、凸版印刷が保有するIoT技術を融合。製品・サービスのデジタル改革実現を、コンサルティングからシステム開発、結果検証までトータルソリューションで支援する。今回のPoCサポートサービスでは、両社がそれぞれ培ってきた金融機関向けソリューションやID管理、マーケティングでの知見を活かし、企業のデジタルトランスフォーメーション推進をサポートするとのことだ。
たとえば、保険加入者同士がリスクをシェアしあうP2P(ピアツーピア)保険へブロックチェーン、スマートコントラクトの仕組みを適用することにより、各保険グループの持つ保険リスク情報を各保険会社・仲介会社間で共有するとともに、共有したくないデータは特定会社ノード間のみで復号可能なデータとして秘匿できる仕組みを実現するという。
システムのデモンストレーションが、来週、東京国際フォーラムで開催の「FIT2017(金融国際情報技術展)」トッパンブースにて行われる。