ルネサス エレクトロニクスは、自社の「RZ/G Linux プラットフォーム」をバージョンアップし、同プラットフォームが産業グレードのオープンソースソフトウェア基盤を提供するCIPプロジェクトの成果となる「CIP SLTS Linuxカーネル」に対応したことを発表した。
RZ/G Linuxプラットフォームは、Armベースのマイクロプロセッサ「RZ/Gシリーズ」と、開発ボード、動作検証済みのLinuxパッケージ、各種アドオンソフトウェア、クラウド開発環境から構成される。ユーザーは産業機器にLinuxを導入する際の開発に関わる時間と初期コストを約40%削減できる。またCIPカーネルの効果として、長期サポートを行う場合に年間数千万円単位でかかっていたメンテナンスコストを削減可能。さらに今回のバージョンアップによって、ライフサイクルの長い産業機器にLinuxを採用することが容易になり、市場への参入を支援できると同社は説明する。
また、従来、Long-Term Support(LTS) Linuxのメンテナンスは約2年だったが、CIP SLTSカーネルに対応したことで組み込みLinuxの10年を超える長期サポートとメンテナンスが可能になった。ルネサスは、ユーザーはLinuxのメンテナンスに費やすコストを削減でき、また信頼性の高い、リアルタイム性が向上した産業グレードのLinuxを製品に導入できると説明する。
日本で2016年10月から提供してきたRZ/G Linuxプラットフォームを海外からもアクセス可能な英語版のルネサスマーケットプレイスを新たに開設した。これらにより、ルネサスはRZ/G Linux プラットフォームをハードウェア、ソフトウェア、開発環境を含む産業向け組み込みLinuxプラットフォームと位置付け、世界標準を目指すという。