総務省では、関係府省・団体と連携し、2020年の東京オリンピックの開会式が予定されている7月24日を「テレワーク・デイ」と定め、計900団体以上、6万人超の参加を得て全国一斉のテレワークを実施した。
テレワーク・デイの政策目的の一つは2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の際に想定される交通混雑の緩和にある。そのためには、テレワーク・デイの効果を定量的に検証し、次年度以降の実施に活かすことが必要だという。この検証には携帯電話利用者の位置情報などのモバイルビッグデータによる分析が効果的であるため、ドコモ・インサイトマーケティング、KDDI、ソフトバンクが協力し、テレワーク・デイ当日の人口変動を分析した。
東京23区内を約500メートル区画で細分化し、ユーザーの動態データから午前7時から午前具体的には、11時の間にオフィスエリアへの来訪有無(以下、出勤率)で判別した。効果検証の結果、テレワーク・デイ当日のオフィスエリアにおける出勤率の減少を定量的に確認できたとKDDIは説明する。
テレワーク・デイ当日の10時台に人口が減少した東京23区内のエリアを比較すると、1位は豊洲、2位は浜松町、3位は品川となった。豊洲周辺(1.5キロメートルメッシュ)の人口減は最大約4,900人(10%減)となり、特に40歳代男性の人口減が顕著であったという。
また、テレワーク・デイ当日の出勤率が5%以上減少していた東京23区内のエリアは、江東区・品川区・渋谷区・新宿区・中央区・千代田区・港区などに幅広く分布。一定のワーク・シフトが広域的に発生していたことが推察される。
鉄道各社の調べによれば、ピーク時間帯(午前8時台)の利用者減少量は、東京メトロ豊洲駅で10%減、都営芝公園駅で5.1%減、都営三田駅で4.3%減(いずれも2016年7月25日同時間帯との比較)となっている。