クルマはもはやコンピュータである。事故を未然に防ぐ、先進運転システム(ADAS)は日々進化しているし、基本である運動性能は常に改良が加えられていく。新型車両の試験場は、開発プロセスの進捗とともに、専用サーキットから公道へと移っていく。
すでに発売しているクルマを対象にすることもある。車両の性能評価やADAS技術開発において、ベンチマークなどのため同じセンサシステムで複数の車両のデータを短期間に計測したいというニーズがある。公道での走行テストでは、社内の複数部署で使用している共用のテスト車両やレンタカーを用いることも多く、その場合、車両に配線や本格的な機材を取り付けるのは難しい。
また、車両の利用時間に制約があるケースもあるという。ZMPは、タブレットPCベースのロガーシステムを用いた公道での走行データ計測サービス「RoboTest®」を開始した。同サービスでは、データロガーとしてタブレットを使用するため持ち運びしやすく、各センサへの給電もタブレットから行うため複雑な配線を要しない。センサは、最大400Gまで計測可能な6軸加速度&ジャイロセンサ、位置計測用GPSセンサを使用し、車両CAN情報取得にOBDIIコネクタを使用する。(関連製品:多点計測ロガーパッケージ「ZMP IMU-Z Cube」)
一般的な計測システムにおける電源確保や配線作業を不要にした。シンプルなシステムで計測のオペレーションを簡易化し、短期間で複数の車両比較データや走行パターンの計測が可能だという。同社のデータ計測実験において、設置開始から5分以内に計測を開始でき、計測期間短縮を実現した。タブレットPCを用いた走行データ計測サービスは、公道における限られた期間やリソースでの車両のベンチマークテストや走行性能の評価などでの活用が期待される。