日立、製造現場のKPIを一元管理するダッシュボードを開発

日立製作所は、ダイセルの協力の下、IoT(モノのインターネット)を活用し、経営情報から製造現場の状況までのKPI(Key Performance Indicator:主要業績評価指標)を一元的に可視化する経営・製造ダッシュボードを開発した。

日立とダイセルが進めている協創プロジェクトの一環として、これまで作業員の逸脱動作や設備不具合の予兆を検知する画像解析システムを通じて収集してきた製造現場のいわゆる「4M(Man:人、Machine:設備、Material:材料、Method:方法)」データを活用している。

今回開発したダッシュボードでは、経営者層や工場管理者層、ライン監督者層それぞれの視点から、経営改善や生産性向上を図るために有用な情報を定量的かつ適宜に把握することで迅速な意思決定を支援する。職務階層ごとに、経営改善や生産性向上を図るための意思決定を行うにあたって有用な各種KPIを時系列にグラフ表示する。

具体的には、経営者層向けには事業・工場ごとの売り上げや利益率、キャッシュフローや可動率など、工場管理者層向けには担当工場のラインごとの生産量や可動率、他工場の情報など、ライン監督者層向けには担当ラインごとのサイクルタイムや設備稼働状況、他ラインの情報などをKPIとしている。それぞれの階層において全体最適化の観点で状況の把握から課題抽出、評価分析、改善までのサイクルの迅速化が図れる。

さらに、グローバルに展開している製造現場の情報(加工実績、作業映像など)を統合し、ビッグデータ解析技術を活用して不良発生時の原因分析や改善施策提案を行い、各製造現場にフィードバックすることで、グローバルでの製品品質向上を支援する。