DNP、医療機関向けにセキュアな通信環境構築システムを提供

大日本印刷(以下、DNP)は、通信機器同士の認証と管理を専用サーバで行うセキュリティシステム「DNP Multi-Peer VPN(Virtual Private Network)」をIT化が進む医療機関向けに提供開始する。第1弾として、大学の脳研究施設で採用されたことを発表した。

近年、政府はITを活用して医療機関間で必要な情報連携を進めることで、地域における質の高い医療の提供に寄与する取り組みを進めている。例えば、健康・医療情報の管理や共有、遠隔治療などが可能になれば、全国各地の住み慣れた地域で安心して質の高い医療サービスを受けることが可能になる。

しかし、医療情報には個人情報が含まれるため、セキュリティ性の高いシステムの構築が必要になる。このような課題を解決するため、DNPは通信のネットワークをセキュアに構築することができる「DNP Multi-Peer VPN」を医療機関向けに提供を開始する。

脳科学研究においては、深層学習によるデータ解析なども取り入れられており、X線撮影装置やCT、MRIなどで撮影した画像データ等の大量のデータを、複数の研究所や研究者で共有し、共同で測定や解析を行って研究していく方法が主流となりつつある。

しかし、これらのデータは匿名化を施しても、AI(人工知能)の進歩に伴い将来的に研究協力者の画像データがAI解析されることで個人情報として識別可能になる可能性が考えられる。そのため、極めて安全性が高く、かつ将来的にさらなるセキュリティの強化が可能な、柔軟な技術基盤を備えた通信環境システムの構築が必要だと考えられる。そこで、ソフトウェアをPCにインストールするだけで簡単にセキュアなネットワークを構築することができるDNP Multi-Peer VPNが採用されることになったという。

DNP Multi-Peer VPNは、PCなどの端末に専用ソフトウェアをインストールするだけで簡単にセキュアなVPN通信が可能になる。通信の開始時に管理用サーバに接続して端末認証を行った後、端末間で複数同時にP2P(Peer to Peer)方式で接続できる。