健康をIoTする

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」――には、人間も含まれる。インターネットにつながったウェアラブル端末などから、ユーザーの嗜好や状態を拾って、有意義な情報を届けたり、商品やサービス、町づくりに活かしたりする。

近年、健康志向の高まりだけでなく、見守りや作業者の健康管理のために、ストレス、血管年齢といったバイタルサインを測定したいとの要望が増えている。ウェアラブル機器で、複雑なバイタルサインを測定するには、サンプリング周波数を高めて測定回数/時間を増やす必要がある。が、消費電力との二律背反、それを実現すればアプリの駆動時間が短くなるという。ロームは、1024Hzの高速サンプリングによるバイタルサイン測定に対応した光学式脈波センサ「BH1792GLC」を開発。チップワンストップ、ザイコストア(コアスタッフ)、アールエスコンポーネンツの3社経由で、ネット販売を始める。

スポーツなどの激しい動きや太陽光などの赤外線が強い環境下でも、独自の光学フィルタにより高精度検出を実現する。同センサは、装着判別用フォトダイオードを備え、消費電力を削減するFIFO機能を搭載。業界最小クラスの消費電流0.44mA(脈拍数測定時)を達成したことで、アプリケーションのさらなる長時間駆動に貢献する。従来品よりも最大32倍早く脈波を測定できるようになったため、高速サンプリングを必要とするストレス測定や血管年齢測定など、時代が求めるバイタルセンシングをサポートするとのこと。

汎用マイコン「Arduino Uno」に接続可能で、大好評のセンサシールド対応評価ボードも販売し、簡単導入に寄与する。新しい脈波センサのサンプル(税抜き、700円/個)出荷は先月から始まっていて、12月から当面月産50万個、前工程をローム・アポロ、後工程をROHM Electronics Philippinesの体制にて量産開始の構えだ。