農業と水インフラにてスマート化を加速

人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)を活用し、従来のしくみを革新する。モノやコトのスマート化の流れが勢いを増している。

昨今、さまざまな課題を抱える農業分野では、省力化・コスト低減・品質管理技術の確立・普及に向けて、ロボットやICT(情報通信技術)によるスマート農業の実現――。水環境分野では、老朽化が進むインフラ設備に対して、省力的かつ効率的で安心安全なオペレーションが期待されているという。クボタはNTTと、ICT・AI技術を活用した新サービスと実証実験を開始する。

農業・水・環境インフラ分野におけるICTイノベーション創出に向けた連携協定」のもと、NTTグループと連携している同社は、AI「cerevo」等の先端技術による、農家や自治体等の課題解決サービスを検討してきた。一方、「クボタスマートインフラストラクチャシステム」を用いて、LPWA通信・気象情報による河川や下水道の状況モニタリング、騒音環境下でも点検作業時記録や指示事項を入力可能なマイクや音声認識技術等を活用した実証実験を進めている。

そして今回、スマート農業実現のために、「KSAS:クボタスマートアグリシステム」の"my天気予報"を強化――気象情報会社ハレックスからの1km単位・48回/日更新の詳細データをもとに、降雨量や風向・風量などを加味した緻密な作業指示、作業の効率化を助ける。加えて稲作向けに、スマホ等で遠隔水位・水温管理ができる「水田センサ」からの情報をKSASに取り込み、圃場の見える化を進める。しくみの販売は来年を予定している。

水環境分野では高度なオペレーションによる省人化と安心安全で持続的なインフラの提供を目的に、corevo®の異常検知技術とオープンソース機械学習処理基盤「Jubatus」を用いて、液中膜にかかる圧力や運転稼動等のデータを解析。同技術の早期商用化を目指すという。