富士通、メガバンク3行とブロックチェーンを活用した個人間送金サービスの実証実験

富士通は、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループと共同で「ブロックチェーン技術」を活用した個人間送金サービスの実証実験を実施し、実証システムの開発に着手したことを発表した。

ブロックチェーン技術とは「分散型台帳を構築する技術」のこと。オープンなネットワーク上で高い信頼性が求められる金融取引や重要データのやり取りなどを可能にする基盤だ。金融ビジネスを一変させるともいわれる「FinTech(フィンテック)」の1つとして、その活用に取り組む金融機関が増えている。

今回の実証実験では、富士通がメガバンク3行で共通利用可能な個人間送金のためのクラウド上のブロックチェーン基盤と、送金や入出金の手続きを実施するスマートフォン用アプリケーションを開発する。また4社は、基盤上に設けた個人用送金アカウントと実際の預金口座間のシームレスな連携、個人用送金アカウント間での価値移転、銀行間の決済額計算(クリアリング)、銀行間での決済完了(セトルメント)などを含めた一連の処理を、正確かつ安全に実施できることを検証する。

検証ポイントは、以下の3点。
・送金アカウントと実際の預金口座とのシームレスな連携(入出金)
・サービス利用時の使い勝手のよい認証ユーザーエクスペリエンスや利便性向上を実現する具体的な操作性や機能
・クリアリングやセトルメントも含めた一連の処理にかかる正確性、安全性、実用性

実証システムの構築を2017年9月~2017年12月にかけて行い、実証実験を2018年1月~2018年3月に実施する予定。

コンピュータの性能向上やAI(人工知能)、ブロックチェーンなどの関連技術の革新により、デジタル化の潮流が拡大。金融業界においてもFintechに象徴される先進技術を活用した新サービスが多く登場している。そうした状況の中、富士通では幅広い顧客基盤を持つメガバンク3行と多様化する個人間送金をテーマに、新たなサービスの創出を検証するための実証実験を開始し多と説明する。