ITインフラ構築、テストをOSSにて迅速かつ自動化

IT(情報技術)システムの開発・運用現場には、大きく分ければアプリ担当とインフラ担当がいる。どちらも必須のエンジニアだが、前者は華やか、後者は地味――で人数においても同様の差がある。

「ITの仕事がしたい!」という若者の多くは前者をイメージしているはずだ。

そして憧れのIT企業に入社したり、ユーザ企業・団体のIT部門に配属されたりして、プログラミングの腕を磨くチャンスもなく、来る日も来る日もサーバ、ストレージ、ネットワークといったハードウェアの構成やテスト、基幹ソフト(OS)のバージョン管理や更新、パッチ適用といった作業に追われる。ところで万が一ミスをすれば、現業部門の人やアプリ担当者から大目玉を食らう。インフラエンジニアたちの強い味方をTISインテックグループのTISが発表した。

日本のインフラエンジニアの生産性向上への貢献とオープンソースソフトウェア(OSS)化による品質向上が目的だという。同社は、ITインフラ環境の自動構築・自動テストを実現するフレームワーク「SHIFT ware」を、一昨日よりOSSとして公開。利用を希望するエンジニアがGitHubサイトからダウンロードできるようにした。

自動化、バージョン管理、テスト、継続的インテグレーションなど、ソフトウェア開発のプラクティスをシステム管理に応用するための""Infrastructure as Code"技術を統合し、昨年9月より自社内でその活用を始め、すでに60件以上の開発プロジェクトのITインフラ環境構築において――

ー 数百台規模のプロジェクトの自動構築・テスト領域で従来比30%のコスト減でITインフラ環境を構築することができた
ー 毎日の定常作業で仮想マシンを数十台デプロイするために、テストも含め3時間程要した案件が十数分で完了できた
ー 手動時に起きていたミスをゼロにし、さらに構築およびテストのスピードも品質も上げることができた
ー システム保守では、数十~数百台あるシステムの脆弱性確認を、属人的なスクリプトベースの作業から、テンプレートを用いた自動的な作業に変更でき、情報共有が容易になった

「SHIFT ware」は、OSSの構成管理ツール「Ansible」やテスト自動化フレームワーク「Serverspec」を実行環境とするテンプレート集で構成されていて、Excelベースのフロントエンドツールにより、プログラミングの経験がないインフラエンジニアでも簡単に活用できる。自動構築やテストの勘所・ノウハウがないエンジニアでも短時間で高い品質のITインフラの設定ができる点などが特長だという。