「EnOcean」対応機器と連携するIoTサービスを提供開始、NTT Comら3社

NTTコミュニケーションズは、ロームおよび沖創工と、無線通信規格「EnOcean」に対応したセンサーや豊富なAPIにより柔軟な設計を可能とする「Things Cloud」を用いて、企業のIoT環境構築を簡単・迅速に実現するIoTサービスの提供を開始した。

今回提供を開始したIoTサービスは、NTT Comが保有するIoTプラットフォーム、ロームが得意とする物の情報を収集するための無線センサーデバイス、沖創工のIoTゲートウェイ設置をはじめとする現場の環境構築・運用実績など、3社のノウハウを組み合わせた。

アプリケーションを開発・実行するためのプラットフォームであるThings Cloudを基盤とし、「EnOcean」対応機器と連携したサービスとして提供する。

EnOceanは、光・温度差・振動などの微弱なエネルギーを集めて電気エネルギーに変換する「エネルギーハーベスト技術(環境発電技術)」を使用している。そのため、電池・配線・メンテナンスが不要。導入企業は、導入コストや導入期間を押さえるとともに、運用稼働も削減することもできる。

IoT環境の構築に必要となるセンサーデバイスの選択から、IoTプラットフォーム、アプリケーション導入までを一元的に提供できる。導入検討の時間を削減するとともに、高度なスキルがなくても実際のIoT環境構築を簡単に実施できる。

NTT Comによると、幾つかの導入パターンを想定している。その内の1つが、電池不要・配線不要の空間管理ソリューションだ。会議室や建物における「温度」「湿度」「CO2濃度」「照度」「人の有無」などの環境状態を遠隔監視・管理する。空室の稼働効率向上やオフィス環境の改善を通じた従業員満足度の向上などの効果が期待できるという。

もう1つが、白金抵抗体センサーによる食品衛生管理ソリューション。業務用冷蔵庫の「温度」「湿度」「開閉状況」「照度」などを遠隔監視。冷蔵庫の適切な温度管理や電力消費の適正化のみならず、故障時のダウンタイムを短縮したり、効率的な食品の衛生管理を可能にしたりする。