住宅の安全性を無線センシングし災害対応

昨今、M7.0級の大規模地震発生リスクの増大や、異常気象からくるゲリラ豪雨、集中豪雨による水害の増加など、災害発生時の広域な被害が想定されている。

日本では、住宅の被災状況の調査・判定に日数を要することが災害復旧の遅れを生む要因として課題となっているという。住友林業は、センシング技術を活用して住宅の現状を把握し、万一の時には収集データを解析することで被災度を判定し、迅速な復旧を目指す「安心・安全サービス」提供に向けた実証実験を検討している。その実施にあたり、OKIは、「SmartHop」の電池駆動可能な省電力技術や信頼性の高い920MHz帯無線技術、データ収集・状態監視などに適用可能な状態監視プラットフォームの構築技術が高く評価され、実証実験への参画が決定したと発表した。

10月上旬よりフェーズ1が始まる「センシング技術活用による自然災害時の住宅の安心・安全度を向上する実証実験」では、住宅の健全性をあらゆる観点で分析・評価できるよう、1棟あたり複数個のセンサーを取り付け、「SmartHop」経由で住宅の状態を適切に収集する。SmartHopは電波到達性の高い920MHz帯無線を採用していて、自動的に無線環境の良い最適な経路を選択するマルチホップ通信機能を搭載しているため、複雑かつ障害物の多い住宅内でも無線式センサーをあらゆる場所に配線工事不要で短期間で設置が可能だという。

省電力技術により電池駆動のセンサーを実現しているため、災害による停電時でも住宅のセンシングができる。状態監視プラットフォームでは、センシングデータを収集・蓄積するほか、それぞれの機器状態を適切に監視が行える信頼性の高いセンサーネットワークを提供する。OKIは、この実証実験にて同社のノウハウや技術をさらに進展させ、住友林業が再来年秋に開始予定の本格的な「安全・安心」サービス実現に寄与していく構えだ。