フィンテック、独自通貨を決済市場へ

いま日本では現金での決済のほかに、クレジットカードや交通系電子マネーなどによるキャッシュレス決済が普及しつつある。新たな決済手段では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて政府も――

決済端末の導入支援などによって、大都市圏の主要施設や観光地等での100%キャッシュレス対応を後押しし、'27年までにキャッシュレス決済比率を米国並み(40%)に引き上げることを決定しているという。

SBIホールディングスは、独自の決済用コインを利用してキャッシュレス化および決済コストの大幅低減を実現する「Sコインプラットフォーム」の構築プロジェクトを開始した。

仮想通貨や前払式の電子マネー等、様々な電子通貨を発行し決済に利用することを可能にする。同社が発行する「Sコイン」や、地方自治体、事業会社、地域金融機関などが発行する独自コイン(トークン・地域通貨)を用いて、スマホによる簡易決済手段を提供する。プラットフォームユーザはこれにより、大きな初期投資を必要とせず様々な地域のニーズに合ったコインの発行が可能となる。
コイン同士の交換もできるようにし、商用化のめどがつき次第オープン化する予定だという。

「いつでも・どこでも安心して利用できる日常通貨」、「決済コストの大幅な低減」、「決済していることを意識させないフリクションレスペイメント」といった価値を届けるプラットフォームの基盤は、ブロックチェーン技術を用いた決済分野に深い造詣と基盤ソフトウェアを持つOrb社と共同で開発。Orb社には、SBIインベストメントが運営する「FinTechファンド」等を通じて出資を行う。

今年度中にグループ内で「Sコイン」の利用を開始する、SBIホールディングスはこのプロジェクトにおいて、Orb社だけでなく、SBIグループの様々な出資先・提携先企業の技術基盤を最大限活用して迅速な商用化を目指す構えだ。