ドコモ、IoT通信の消費電力を抑える新技術を開発

NTTドコモは、法人向けIoT通信機器の消費電力を低減する通信技術「eDRX」を2017年10月2日から東京都市部で提供開始する。また、消費電力を低減する「ドコモUIM(M2M)バージョン6」を開発し、2017年内に提供を開始する予定。

eDRX技術は、IoT向け通信技術「LPWA」(Low Power Wide Area)の1つで、LTE標準規格である「Cat.1」や今後商用化を予定している「LTE-M」「NB-IoT」などの各カテゴリーの通信技術と組み合わせることができる。これにより、従来と比較して約80%消費電力を低減するという。

従来、ドコモでは省電力技術であるDRXを利用しており、IoT通信機器は待受中にサーバ側から送信されてくる各種信号を受信する際に電源をONにし、その他はOFFにすることで電力消費を低減する。eDRXでは信号が送信される間隔をDRXよりも長くすることで、さらに電力消費を低減することを可能にした。

また、従来のUIMを利用した場合、UIMには常時電力が供給するが、低消費電力UIMを利用した場合、UIMには通信時にのみ電力が供給され、UIMで消費される電力を削減できる。さらにeDRXと低消費電力UIMを組み合わせることで、従来と比較してさらに約50%消費電力を低減可能だという。

eDRX技術を用いることで、山間部の耕作地や高層ビルの工事現場、住宅のガス・水道メーターなど商用電源が確保しづらい場所でも、電池駆動によってIoT機器が長期間に渡って設置しやすくなる。さらに既存のLTEネットワークエリアにおいてもこの技術が利用できるため、法人ユーザーは自身のシステムの導入が早期に可能となるとドコモは説明する。