近ごろ身代金要求型マルウェア(ランサムウェア)が急増し、標的型サイバー攻撃対策の需要が高まっている。感染するとシステムを破壊される恐れがある。ランサムウェアの侵入を早期に検知して対処し、被害を最小限に抑えることが重要となる。
非シグネチャベースの標的型サイバー攻撃向け特化型脅威対策製品は、エンドポイントでのマルウェア侵害を検知、分析し、早期の対処を支援するものであり、今後需要が拡大する。TOKYO2020などの大規模イベントを狙ったサイバー攻撃の多発が予測されていて、重要社会インフラ産業を中心に上記製品へのニーズが高まるという。
IDC Japanは、国内標的型サイバー攻撃対策ソリューション市場の予測を発表。同市場を特化型脅威対策製品市場と脅威インテリジェンスセキュリティサービス市場に分類し、算出/予測を行った。結果、特化型脅威対策製品市場は、昨年120億円、以降5年間の年間平均成長率(CAGR)が21.5%で、'21年には318億円に拡大。脅威インテリジェンスセキュリティサービス市場は、昨年200億円、CAGRが9.6%で、'21年には315億円に拡大すると予測している。
昨年末に経済産業省が公開した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver1.1」にて、情報セキュリティ対策上、責任者/担当幹部に経営者が指示すべき「重要10項目」の一つに、「情報共有活動への参加を通じた攻撃情報の入手とその有効活用のための環境整備」が挙げられている。攻撃情報や脅威情報を持つ脅威インテリジェンスの活用は、この勧告にも沿ったものであり、企業や同業種内での共有もこれから拡大するという。
詳細は、「国内標的型サイバー攻撃対策ソリューション市場シェア、2016年:エンドポイントソリューションの進展」および「国内標的型サイバー攻撃対策ソリューション市場予測、2017年~2021年」にて確認できる。