あらゆるモノをネットにつなげる「IoT」は様々な分野で拡大している。法人のみならず、スマートハウスの進展などによって個人にもその仕組みは身近なものになりつつある。
いま、OA機器や計測機器、家電などを遠隔地からリアルタイムに操作し、メンテナンスをしたいという市場ニーズが高まっている。企業や家庭のネットワークはFirewallで守られていて、遠隔操作を実現するには、その設定変更、専用回線やゲートウェイの設置といった対処が必要となる。そして、安全性とコストの両立に課題があるという。
東芝情報システムは、Firewallの内側にある組込み機器をクラウド上から、安全でリアルタイムに操作できるIoT接続基盤ソフトウェアをパッケージ化した、「NetNucleus® Cloud Hub」を明日から販売開始する。組込み機器に特化したIoT事業で年間10億円の売上目標を掲げる同社は、この製品はWebSocket を応用し、Firewall の設定変更を必要としない。既設のインターネット回線を利用して、安全で低コストに、遠隔地から企業内や家庭内の機器をリアルタイムに操作できる。通信にTLS(Transport Layer Security)を用いるため強固なセキュリティも実現しているという。
数千、数十万台の機器をクラウドにつなげば、接続数に応じたコストが発生する。通信コストや、大量の機器を接続するサーバ側のコスト――例えば、1台当たり月額200円の格安SIMカードを用いて1万台の機器操作するなら、年間2千万円超の通信コストが生じる。
しかし「NetNucleus® Cloud Hub」では、既設回線を利用するため追加の通信コストは発生せず、独自の負荷分散技術を実装しているので、エントリクラスのサーバ2台で、10万台超の同時接続を保て、かつサーバの応答性を低下させずにそのコストを大幅に削減できるという。