近ごろ音声アシスタントを利用する機会が増えている。スマートフォンなどに話しかけるのは両手が塞がっている時に便利だからというだけではなく、キーボードを操作するよりも楽だし早いという理由を挙げる人も増えている。
音声認識技術の向上がその背景にある。「近くのコンビニ」といって、マシンがそのせりふを解釈する様子をみれば、一瞬の落胆がすぐに感動に変わる。そしてネットショッピングの際などにも、もうキーボード入力を止めて、マシンと会話するように目的のものを探すようになっていく――と、筆者は自分の経験から思う。が現状、必ずしも音声入力が勝るとも言えない。
音声アシスタントによるECサイトでの検索は、従来のキーワード入力検索と異なり、曖昧な言葉や不要な言葉が多く含まれる。NTTレゾナントは、同社が提供する人工知能(AI)型ECサイト内検索ソリューション「goo Search Solution」において、新機能「不要語の除外」を提供開始。カカクコムの購買支援サイト「価格.com」に導入されたと発表した。
NTTグループのAI技術「corevo®」のひとつである形態素解析技術を活用し、高い精度でキーワードを抽出することを実現した。「不要語の除外」は、例えば、検索ボックスにユーザーが「防水のデジカメ」と入力した場合、不要な助詞「の」を削除し、「防水」「デジカメ」という重要キーワードを自動抽出して検索結果を表示する。これによって、曖昧な言葉や状態を表す短文、修飾された名詞を入力した場合でも、ユーザーの希望に沿った検索結果を表示できる。
カカクコムでは、ECサイトで会話型コマースへの移行が進んでいることへの対応を見据え、今回、上記新機能のほかに、「表記ゆれ辞書」「同義語展開」など5つの機能を導入。「価格.com」におけるコンセプト、「『買ってよかった』をすべてのひとに。」をいっそう強化することになるだろう。