全国銀行協会、ブロックチェーン基盤の実証環境に富士通のクラウドを活用

富士通は、ブロックチェーン技術を活用した金融サービスの実証実験環境「ブロックチェーン連携プラットフォーム」に、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」上にブロックチェーン基盤を実装したクラウドサービスが採用されたことを発表した。

The Linux Foundationが運営するHyperledger Projectのブロックチェーンフレームワークの一つである「Hyperledger Fabric」をブロックチェーン基盤としてK5上に実装したクラウドサービスを、全国銀行協会が「ブロックチェーン連携プラットフォーム」として会員各行などに提供する。Hyperledgerとは、産業間共通のブロックチェーン技術推進のために設立されたオープンソースソフトウェアの共同開発プロジェクトのこと。

このサービスはブロックチェーン基盤に加え、様々な銀行業務に利用できる業務共通APIや堅牢なセキュリティ機能なども実装。そのため、全国銀行協会の会員各行はブロックチェーン連携プラットフォームを利用することで、新たな金融サービスなどのアプリケーションを効率的に開発し、迅速に実証実験を行うことが可能になる。

新たな金融商品・サービスの潮流である「FinTech」が国内においても急速に進展する中、国際競争力向上の観点から決済インフラの改革やIT活用による金融イノベーションに向けた取り組みの重要性が示唆されている。

国内で活動する銀行などで組織される全国銀行協会は、2016年から「ブロックチェーン技術の活用可能性と課題に関する検討会」の事務局となって、ブロックチェーンに関する取り組みを行ってきた。その一環として、ブロックチェーン技術を活用した新たな金融サービスなどを開発するための実証実験環境であるブロックチェーン連携プラットフォームを整備し、会員各行などへの提供を2017年10月より予定している。

全国銀行協会と会員各行は今後、ブロックチェーン連携プラットフォームの活用を通じて、銀行業界全体でブロックチェーン技術に関する知見を蓄積、共有し、実用化に向けた取り組みを推進する。