熟練運転員の運転技術をシステム化するサービス

横河ソリューションサービスは、データ駆動型のモデル化技術により熟練運転員の運転技術をシステム化し、目標とする品質を確保しながら生産コストを最小化する成果シェア型の最適操業支援サービス「DDMOnEX」の提供を開始した。

DDMOnEXでは、簡易診断、ポテンシャル診断、システム導入、効果検証の順にプラントの最適操業を支援する。

まず、顧客のプラントが抱える問題を確認し、問題の解決に本サービスが有効であるか、解決することでどの程度の利得が見込めるかを計測する(簡易診断)。次に、過去の運転データからモデルが作成できるかを判断し、DDMOによりモデルを構築して実質的に得られる利得を算出(ポテンシャル診断)。作成したモデルを推定・最適化計算を行えるサーバシステムに組み込み、実プラントに適用して(システム導入)、効果を測定する(効果検証)。

最適操業支援システムは、プラントで機器を制御するソフトウェア同士を連携するためのインターフェース規格である「OPC」経由で運転中のプラントのデータを取り込む。一定の品質を確保しながら材料、添加剤、水や燃料などの費用を最小化するために必要な制御設定値を算出し、設定するパラメータと操作のタイミングをオペレータへのガイダンスとして伝える。ガイダンスを利用した操業を開始した後には、一定期間の効果を定量的に提示し、必要に応じてモデルを修正する(チューニング)。

熟練運転員による過去の良好な運転実績を学習データとしたモデルを活用し、品質とコストの観点からプラント操業のベストプラクティスを再現する。また、導入後の継続的な削減を実現してその効果に応じて報酬を得る成果シェア型のサービス形態を取ることで導入時の費用を抑えているという。

紙パルプ、化学、セメント、鉄鋼などの連続プロセスを持つプラントや、各種プラントの排水処理設備の操業最適化が主な用途となる。