日本に出張で来たアメリカ人が驚いた。朝八時前の満員電車内にランドセルを背負った子どもが独りでいる光景を見て――。私立の小学校に通っている子だよと教えると、彼はいっそう目を丸くした。アメリカではネヴァーエヴァー、あり得ない! と。
朝に夕に、きゃっきゃ言いながら近くの小学校に通う子たちから元気をもらう筆者は、その子らが合唱しながらゆく姿を見て、ああ学校行事が迫っているのだと思ったり、こんな光景がいつまでも続くことを願ったりする。けれど近ごろ日本でも、アメリカ人が憂うような事態は度々起こっている。
子どもたちのみならず、祖父母にも、事件や事故に遭わないかと家族は心を配る。
そこで東京電力とotta(本社:福岡市)は「地域のみんなで見守る 新しいみまもりの在り方」を実現する、「tepcotta」を提供している。
ottaの持つIoT(Internet of Things)技術を活用し、ビーコン(電波受発信器)を搭載したキーホルダーなどを持つ高齢者や子どもの位置情報履歴を、家族や保護者らがスマホやパソコンで把握することができる。ほかに、予め登録した基地局付近を見守り対象者が通過した際、メールや専用アプリで通知を受けられるサービスを、すでに東京都渋谷区で始めていて、順次関東圏に展開する計画だという。
見守りに、「全国タクシー」アプリを展開するJapanTaxiが加わった。3社は、tepcottaの「動く基地局」としてタクシーを活用するシステムを開発し、日本交通が運営する約4,100台の乗客向けタブレット「Tokyo Prime」に、tepcotta携帯端末を検知する機能を組み込んだアプリを導入。きょうから東京都渋谷区を中心に本格運用を開始した。
7月末からアプリ導入を進めて検証を重ねた結果、すでに5,000回以上、タクシーがビーコン電波を受信していて、今後「動く基地局」のさらなる拡充を模索していくという。