もうあそこで脂汗も冷や汗もかかない

自動車教習所で一番苦手な実技はなんだった? クランク、S字カーブ、坂道発進、縦列駐車、車庫入れ――晴れて教習所を卒業し、さっそうと街や海岸、山のリゾート地を走り抜けられるようになっても苦手意識、いや実際若葉マークがとれたドライバーでも不得手な操作がある。

踏切では安全確認をして一気に進めば良いし、あれほど狭く急なクランクやS字に遭遇することはめったになく、オートマティック車に乗っていれば上り坂で焦る必要はない。けれど、脇を他車がビュンビュン走っている、あるいは前後に高級車なんかがあるとき、路肩Pでの操車にはスカイダイビングほどの勇気を要する。広大なショッピングモールの駐車場でさえ、ようやく駐め終えてみれば、枠内で自分の車だけが斜めになっていたりするから――。

そんな苦手意識と不得意にさようなら。100%EVの新型日産「リーフ」には、プロパイロット パーキングという自動駐車機能が備わっている。そしてきょうルネサスは、同機能に、ルネサスの車載情報・先進運転支援システムADAS用SoC――「R-Car」と、車載制御用マイコン「RH850」が採用されたことを発表した。

採用された「R-Car」は、駐車可能な空間を認識して障害物の有無を確認し、アクセルやブレーキ、ステアリングやギアシフトの指令を出す。画像認識処理を専門に行うルネサス独自の並列イメージプロセッサ(IMP)を搭載していて、最新CMOSカメラからの高解像度イメージを高速かつ低消費電力で処理できる。

R-Carから車体制御の指令をうけとった車載制御用マイコン「RH850」は、各ECU(Electronic Control Unit)にその指令を伝達、これらさまざまな情報をもとにして、日産リーフの「プロパイロット パーキング」は、目標スペースへの安全かつ正確な駐車を行うとのことだ。

――もう狭い駐車スペースだって全然怖くない、と彼女がいうだろう。