熊本市と高雄市、小学生の国際交流にTV会議を利用
共同事業は「魅力溢れ、暮らしやすさと幸せが実感できる熊本」の実現に向けて、熊本県、熊本市、NTT西日本が検討を進めている「スマートひかりタウン熊本」プロジェクトの一環として実施するもの。
熊本県、熊本市と高雄市は、2017年1月に友好交流協定を締結。熊本県によると、高雄市の子どもたちとの触れ合いを通して、熊本の子どもたちに元気を取り戻してもらうことで、熊本地震からの創造的復興につなげたいという。共同事業では、新たな文化や教育の交流の仕組みとしてICTを活用し、熊本県の学校と台湾の学校を結んだ国際交流を実施する。
ICTつながる学校とは、熊本と高雄の学校にTV会議システムなどの映像視聴環境を導入することで、リアルタイムかつ臨場感あふれるコミュニケーションを実現する仕組み。NTT西日本によると、この仕組みを導入することで、両校の生徒が積極的に国際交流を図り、グローバルな感性の醸成に貢献するという。
具体的には、フルHDのTV会議システムと等身大の大画面(170インチ)を教室に導入することで、同じ空間で一緒に授業を受けているような臨場感あふれる国際交流授業環境を構築する。また、互いの言語(音声・テキスト)をスムーズに翻訳して伝え合う交流支援機能を提供することで、新しい交流授業の形態や生徒間コミュニケーションを支援する。
さらに廊下など、お互いのフリースペースの空間を「光BOX+」を活用したテレビ電話でつなげて、テレビモニタ(55インチ)に映像を映し出す。授業以外の場でも生徒間の自発的な交流によるコミュニケーションの活性化につなげる。
熊本県は、事業の全体調整と実施自治体(大津町・高雄市)に対する支援を、NTT東日本はICTつながる学校の利用環境の提供と熊本側現地システムの構築、システム運用サポートを、NTT Comはグループ企業を通じた、台湾側現地システムの構築、システム運用サポートをそれぞれ行う。
熊本県では事業の検証で得られる知見を活かし、ICTを用いた遠隔授業や国際交流に関する取り組みをより一層加速するとともに、2019年に熊本県で開催予定の国際スポーツ大会での活用や観光振興など、幅広い分野への活用につなげていくという。