藤沢市で「ロケモン」の実証実験、NTT東日本と慶応大学

東日本電信電話、慶應義塾大学SFC研究所は、情報通信研究機構(NICT)が研究委託する「欧州との連携による公共ビッグデータの利活用基盤に関する研究開発」(BigClouT)の一環で、神奈川県藤沢市において実証実験を実施する。

この実証実験では、BigClouTによる「スマートシティにおける市民の影響力を拡張するビッグデータ・クラウド・IoT融合基盤技術」が、藤沢市の持つ課題の解決にどのように寄与するかを検証する。具体的には、イベント開催時の参加者へのリアルタイムかつ有益な情報提供の実現とイベント会場間の回遊性の向上を図る。

藤沢市内で開催されるイベント「藤沢市民まつり」(2017年9月23日~24日)、「ふじさわ ちょい呑みフェスティバル」(2017年11月7日~8日)において、慶應大学が開発したスマートフォンアプリ「ロケモン」を活用。アプリ利用者が会場内に潜むバーチャルの「ロケーション・モンスター」になりきって、イベント情報および店や道路の混雑状況といった情報を交換する。これにより、イベント参加者の行動変容の促進(例:会場間の回遊性向上、混雑緩和)が実現可能かを実証する。

市民まつりでは、アプリ利用者のスマートフォンと連動するサイネージも会場に設置し、リアルタイムな情報を提供する。スマートフォンアプリで情報交換する際には、アプリ利用者の情報は匿名化され、収集したデータについては目的外では使用しない。

NTT東日本は、BigClouTおよび実証実験の全体を管理する。慶應大学は、情報交換用のスマートフォンアプリとして開発したロケモンを提供。藤沢市は、各種イベントを実証実験における検証フィールドとして提供する。

BigClouTとは、NTT東日本、慶應義塾大学、情報・システム研究機構 国立情報学研究所、日本電信電話、筑波大学がNICTから研究受託しているプロジェクト。IoT(モノのインターネット)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ解析といった最新技術を組み合わせたプラットフォームを構築することで、都市にあふれる多種多様なデータから抽出された付加価値の高い知識を市民に還元し、各種データを様々な分野へ効率的かつリアルタイムに活用することを目標としている。