市街地のAEDを低コストで遠隔監視

街中でふと、それに気づくことがある。緊急時に心臓へ電気ショックを与えて救命する、AED(自動体外式除細動器)は事業所や学校、駅や公共施設だけでなく、駐輪場や公園にも設置されている。

24時間365日使える状態にあった方が良いので、屋外設置型のAEDも増えている。屋外では温度管理や防塵防犯など、屋内のそれよりもいっそう維持管理の負担が増すだろう。

そこでセコムとNTTドコモは、屋内屋外問わず、市街地に設置されているAEDの状態を遠隔で監視・管理する「AEDオンライン管理サービス」の運用開始をめざして、明日より共同で実証実験を開始する。同サービスではLPWA(低消費電力、広域無線通信)ネットワークを使用してAEDを監視し、異常発生時にはセコムが速やかに対応して正常化することにより、AED設置者の維持・管理負担を軽減するという。

実証実験において、ドコモはLPWAネットワーク「LoRa®」、センサ網用LPWA通信モジュール、LPWA対応IoTゲートウェイ、データを管理するLPWA通信サーバを提供し、環境の構築。 セコムは同社内や協力先に設置されたAEDついて、通信の安定性や運用コスト等の検証を実施し、LPWAの有用性や商用化に向けた最適化を行い来年内の運用開始をめざす。

全国約17万台のAEDにてオンライン監視に低消費電力、広域通信、低コストという特長を持つLPWA通信を活用することで、通信に必要な電力もバッテリーとなり、電源のない場所に設置するAEDのオンライン監視が可能になる等、より多くのAEDがいつでも安心して使える環境を実現できる。

サービスの実証実験では、明日から開催される「SHIBUYA BOSAI FES 2017」にて、代々木公園の会場に設置したセコムのAED3台とIoTゲートウェイを接続し、約2kmの長距離通信を安定的に低消費電力で実現できるかどうかを確認するとのことだ。