村田製作所は、ウェアラブルやヘルスケア向けの小型RFIDタグ「LXMSJZNCMF-198」を商品化し、2017年8月に量産を開始した。メガネや時計などのウェアラブルアクセサリーや検体チューブなどのヘルスケア向けに最適化された製品。
近年、在庫管理や商品トレーサビリティの付加価値向上のため、「RAIN」仕様のRFIDの導入が拡大している。しかし、面積が限られる小型アプリケーションへのRFIDタグの搭載が課題となっていた。RAINとは、UHF帯RFID技術を普及させる為のグローバルアライアンス。ISO/IECにて規格化された「18000-63」の「GS1 UHF Gen2」のプロトコルを使用する。
村田製作所は、多層セラミック基板の技術を用いて、RAIN RFIDタグのICチップとアンテナをパッケージ化することで、メガネや時計、その他のウェアラブルアクセサリー向けや、検体チューブなどのヘルスケア関連のアプリケーション向けに適する小型RFIDタグ(1.25×1.25×0.55mm)を商品化した。
LXMSJZNCMF-198は、小型で高感度を利点とするICチップ「Impinj Monza R6」を内蔵することで、省スペースで良好な通信機能を備える。製造工程での商品識別、トレーサビリティや偽造品の防止に加え、手術器具や検体チューブなどのヘルスケア分野にも適するという。UHFのグローバル帯(865MHz-928MHz)に対応する。
村田製作所によると、厳しい温度管理が要求され、低温環境では結露や汚れの影響で一般的なラベルでは読み取りが難しいバイオ製品では、検体チューブなどに直接埋め込むことができるRAIN RFIDリーダーを使うことで検体管理の自動化が可能になるという。