あらゆるモノがネットにつながる時代のインメモリDBMS

これまで独立し、機能していたモノが続々とつながり始めている。クルマやロボット、工場の設備機器や家庭の電化製品などもネットワークデバイスのひとつになり、互いに、あるいはクラウド上のAIや巨大コンピュータと高速で連動する。

昨今、自動運転やロボットなどの高度化に伴い、制御ユニット上のアプリケーションは、限られたリソースでも1ミリ秒以下での処理――。センサなど複数のIoT(Internet of Things)機器とのデータ授受も必要となり、多様化・大規模化するデータの整合性確保や、アプリケーション間の干渉回避といった課題の解決も求められるという。日立ソリューションズは、IoT化が進む制御システム向けに、数十マイクロ秒でのデータの検索や更新を実現する「Entier インメモリデータベース管理システム」を明日から販売。同システムの体験版をダウンロードできるウェブサイトを公開する。

組み込みデータベース「Entier」の開発で培ってきたノウハウを生かし、昨年10月に日立オートモティブシステムズと共同で、アプリケーション開発を効率化する「自動運転ECUプラットフォーム」を製作し発表していた。日立ソリューションは今回、インメモリ型の組み込みデータベース管理システムにおいて、Key-Value-Storeやリングバッファの採用で処理能力を向上し、データの検索や更新の超高速化を実現。IoT機器から出力される多種類かつ複数のデータを同時に処理し、一元管理できるマルチスレッドに対応することで、高度化する制御アプリケーションの開発効率向上をサポートする。

新たなシステムは、100キロバイト程度のプログラムサイズで、リソースが制限されたエッジデバイスなどに適用可能であり、自動車機能安全規格ISO26262の取得も支援するとのことだ。