ビッグデータ分析関連市場、2021年には1兆4,800億万円規模――IDC予測

IT調査会社であるIDC Japan(以下、IDC)は、国内BDA(ビッグデータ&アナリシス)テクノロジー/サービス市場を調査し、2016年の同市場の分析結果と2021年までの予測を発表した。

IDCは、BDAテクノロジー/ソフトウェア市場を「インフラストラクチャ」「ソフトウェア」「サービス」の3つの市場セグメントに分類し、市場規模を予測した。

これによると、2016年の国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場は、前年比8.0%増の高い成長率を記録し、市場規模は8,860億6,100万円となった。

BDAテクノロジーの活用は従来からあるBI(Business Intelligence)やBA(Business Analytics)を通じたデータを活用した人に対するインサイトの提示という役割から、データ駆動型のアプリケーション基盤によるビジネスプロセスの自動化へ役割を広げている。IoT(モノのインターネット)やコグニティブ/AIシステムへの取り組みの広がりは、この傾向をさらに拡大するとIDCは予測している。

BDAテクノロジー/サービス市場規模は2021年に1兆4,818億8,400万円となり、年間平均成長率(CAGR)は10.8%で推移するとIDCは予測。この期間の市場の成長を牽引するのはBDAサービス市場で、3つのセグメント市場のうち最も高い14.0%のCAGRをみている。

また、同社は企業のBDAテクノロジーの活用シーンが従来のIT部門が主導する業務アプリケーションからビジネス部門が主導する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に拡大していく中で、カスタムアプリケーション開発やシステムインテグレーションの必要性が高まり、エンジニアやソフトウェア開発者に対するニーズが拡大するとみている。

IDC ソフトウェア&セキュリティのマーケットアナリストである草地 慎太郎氏は「国内市場ではユーザー企業において、BDAテクノロジーを活用するためのデベロッパーやエンジニアのリソースが不足する傾向にある。ITサプライヤーには国内企業のDXへの取り組みを十分に支援するために、BDAに対応したサービスの開発やデリバリ-へのリソース投入が求められる」と分析している。