日本気象協会、AIを活用して電力取引価格を予測

日本気象協会は、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場を対象とした電力取引価格予測(プライス予測)サービスを2017年8月28日から提供する。日本卸電力取引所のスポット取引価格を人工知能(AI)技術で予測してオンライン配信する。

プライス予測では、スポット市場での30分ごとの電力取引価格(システムプライス)をオンラインで配信する。システムプライスとは、日本全国の入札を合成して需要供給曲線を描き、売買を成立させたときの約定価格のことを指す。

気温や日射量をはじめとした日本気象協会独自の気象予測データを用いて、人工知能(AI)による解析技術を基に電力取引価格を予測する。日本気象協会の「電力需要予測サービス」や「太陽光発電出力予測サービス」などのノウハウを活用し、電力の需要・供給を考慮したプライス予測を提供することが可能になった。

これにより、小売電気事業者や発電事業者は、電力の市場調達コストを算出し、電力需要予測値に合わせた経済的かつ効率的な電力調達計画を作成するなど、電力取引の際の支援材料として活用できる。

例えば、小売電気事業者は「計画値同時同量制度」に基づき、必要な電力を事前に確保する必要がある。特に自社発電設備の少ない事業者では、翌日販売する電力の多くをスポット市場から調達する。そのため、日本気象協会のプライス予測により、市場調達コストを算出し、最適な調達計画を作成することで、電力の調達・販売に関する経済的な取引の実現に活用できるという。

日本気象協会では、2017年秋には地域ごとの価格(エリアプライス)予測を提供開始する予定。