IBMと世界大手食品グループ、食品の安全性向上のためにブロックチェーンを活用

IBMは、グローバルな食品システムにおいて消費者の信頼を高めるため、グローバルな食品サプライチェーンの大手企業から構成されるグループとともに大規模なブロックチェーンの構築に取り組むことを発表した。

参画する食品関連企業は、Dole、Driscoll's、Golden State Foods、Kroger、McCormick and Company、Nestle、Tyson Foods、Walmartなど。

ブロックチェーンは現在、食品のサプライチェーンへの応用に加えて、花や不動産、貿易金融から教育や保健、医療業務に至るすべてについてプロセスを変革し、取引を合理化するために利用されている。

この採用を加速させようと、IBMでは企業向けの本格的な「ブロックチェーン・プラットフォーム」、「コンサルティング・サービス」を発表した。同プラットフォームには、IBMクラウド経由で利用が可能になる。より多くの企業がビジネス・ネットワークを速やかに始動させて、これらのネットワークを問題なく開発、運用、統制、保護するために必要不可欠な機能にアクセスできる。

今回発表したプラットフォームは、IBMが400以上の組織に提供済みのブロックチェーンの成果を発展させたもの。同社が金融サービス、サプライチェーンや物流、小売り、官公庁、医療など複数の業界でブロックチェーン・ネットワークを構築したことから得たノウハウを取り込んでいる。

参画企業は協力して、ブロックチェーンが食品のエコシステムに利益をもたらす新しい分野の特定と優先順位付けを実施。IBMの新しいソリューションに向けて情報を提供する。

ブロックチェーンは、全ての取引に対して信頼性の高い環境を確立できる技術。グローバルな食品サプライチェーンの場合、農家やサプライヤー、加工業者、流通業者、小売業者、規制当局、消費者などの参加者全員が、取引対象となる食品の原産地や状態に関し、信頼性のある情報にアクセスすることが可能になる。

このため、食品の提供者やその他のエコシステムの参画者は、ブロックチェーン・ネットワークを利用し、短時間で汚染された製品を追跡して発生源を突き止めたり、店頭から確実に除去することを保証したりすることで病気の拡散を食い止めることが可能になるという。