日本は、諸外国に例をみない速度で高齢化が進行している。65歳以上の人口はいま3,000万を超えていて、2042年の約3,900万人をピークに、その後も、75歳以上の人口割合は増加し続けると予想されている。
このような状況の中、団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステム――認知高齢者の地域での生活を支えるためにも、その構築が重要だと厚生労働省は説明する。
そしてきょう、世界120ヶ国以上に医療機器を輸出し、医用電子機器および関連システム等の開発からコンサルテーションまでを手掛ける日本光電は、多様化する在宅医療・介護のICT化に対応した、医療介護ネットワークシステム LAVITA®の販売を始めた。その開発には、科学技術振興機構(JST)センター・オブ・イノベーション(COI)プログラムの支援によって東北大学が中心になり推進している、COI東北拠点での産学連携研究の成果が活用されている。
LAVITAは、患者の血圧や体温、SpO2(動脈血酸素飽和度)、体重等のバイタルデータを、各種無線通信機能によりゲートウェイ経由で簡便に収集、クラウド上のサーバへ自動送信し、医療・介護関係者らがこれまで手入力や在宅ノートで記録していた情報を、「知りたいとき」「伝えたいとき」にリアルタイムで共有できる。直感的な操作とわかりやすい表示機能を備えたクラウド型ネットワークシステムであり、他社システムとの共用もできる。
患者宅から離れた場所で体調を見守り、変化があれば共有情報を元に医療・介護の分野をまたいだ専門家同士の連携が可能で。バイタルデータ入力の手間を省けるため、医療・介護関係者の負担軽減にもつながる。地域包括ケアシステム構築の実現をサポートするという。