2020年頃に自動駐車システムの実用化が始まる 矢野経済研究所が予測

矢野経済研究所は、駐車支援/自動駐車システムの世界市場について調査を実施し、その結果を公表した。欧州を中心に駐車支援システムの搭載が進み、2020年頃に自動駐車システムの実用化が始まると予測する。

今回の調査は、2017年3月~6月に自動車メーカー、カーエレクトロニクスメーカーなどを対象として面談やヒアリング、文献調査などを実施。市場規模は搭載台数ベースで算出した。

駐車支援システムは、ステアリング操作のみを自動化し、アクセルやブレーキ、シフトレバーについてはドライバー(運転者)が操作する必要のあるシステムを指す。ドライバー監視下で、アクセルやブレーキ、ステアリング、シフトレバーの全てを自動化する駐車支援システムの実用化も始まっている。

一方、自動駐車システムはドライバーの監視が不要であり、ドライバーの降車後にシステムが駐車可能スペースを検出し、無人で自動駐車をする(バレーパーキング)システムである。

2016年における駐車支援システムの世界市場規模は、前年比 28.1%増となる455万2,550台に拡大した。超音波センサーやカメラで車両周囲の状況を検知して、ステアリング操作のみを自動化したシステムが大部分を占める。

一部の高級車では、2016年からステアリングだけでなく、ブレーキやアクセルも自動化した駐車支援システムの採用が始まっており、降車後にドライバー(運転者)が遠隔操作で駐車可能なリモートパーキングシステムの搭載も進んでいる。

駐車支援および自動駐車システムはミドルクラス以上を中心に搭載が進み、2020 年の世界市場規模は1,222万7,100台まで拡大し、2015年から2020年までの年平均成長率(CAGR)は28%で推移すると予測する。

矢野経済研究所では、ドイツ自動車メーカーを中心に駐車支援システムの搭載率が高い欧州が市場を牽引し、2020年頃にはドライバーの監視が不要になる自動駐車システムの実用化もカーシェアリング車両で始まるものと見ている。

また、2020年以降、自動駐車システムの搭載は高級車で進み、駐車支援システムの設定車種もミドルクラスだけでなくコンパクトクラスに広がる。また、カーシェアリング車両での需要を中心に拡大し、2025年の駐車支援、自動駐車システムの世界市場規模は3,852万 3,000台に達し、そのうち自動駐車システムは822万3,000台に成長すると予測する。