大手町・丸の内エリアで災害時に対応する位置情報把握のための実証実験

三菱地所は、2017年9月1日の「第91回 三菱地所総合防災訓練」にて、LPWA回線(Low Power Wide Area)を用いた位置情報把握の実証実験を実施する。大手町ビルにLPWA回線の基地局を設け、公衆通信網に依存しないネットワークを構築。

世の中の急速なIoT(モノのインターネット)化の進展に伴う、大量のデータ通信へのソリューションとして、簡易的かつ低コストな通信回線のニーズが高まっている。そこで、三菱地所は、昨今注目されているLPWA回線の有用性を検証し、様々な活用方法を模索することが目的だ。

LPWA回線は、日本では通信事業者免許が不要な通信方式。公衆通信網を使用することなく、独自のネットワークで中長距離での通信が可能となる回線だ。通信に必要な電力が少なく、低コストでネットワーク構築が可能な点も特徴であり、今後、IoT化の進展により、デジタルデバイス同士の中長距離での情報通信の増加が見込まれる中で、発展が予想される通信方式。

今回、NTTドコモとハタプロが共同で運営する39Meisterの協力の下、実証実験を実施する。ハタプロは、IoTの通信、ハードウェア構築を得意とするベンチャー企業。39Meisterは、大企業やベンチャー企業に、IoTプロダクトの企画から量産までの事業化を支援するジョイントベンチャー事業だ。

今回の実証実験は、大規模地震が発生し一部の通信回線が使用不可能となった場合を想定。東京都の大手町・丸の内・有楽町エリアで災害時に対応する従業員の位置情報を把握するという内容だ。

被災時に災害対策本部となる大手町ビルにLPWA回線の基地局を設け、独立電源により、公衆通信網に依存しないネットワークを構築。大手町ビル内および周辺エリアに配置されたGPS端末を持った従業員の位置を把握することで有用性を検証する。

三菱地所によると、ビル密集地である大手町・丸の内・有楽町エリアでの実証実験は、実際の利用を見据えた上でとても重要な実験となるという。