壁面緑化を自在に低コストで

都会は暑い。アスファルトが地面を覆い尽くし、鉄とコンクリートの構造物が風を遮っている。街を夏、サーモカメラで俯瞰すると赤い。ヒートアイランド現象を和らげるため、屋上や壁面でみどりを育てる取り組みが広がっている。

建物の壁面に繁茂した植物は、直射日光を遮り、見る人の心を和やかにする効果もある。都市部に緑の景観を付与する。一方、見せる側、ヒートアイランド現象を抑制する側にとっては、壁面に設置するプランターでは土壌が乾燥して植物が枯死しやすく、施肥など植生を維持管理する作業に手間がかかる――課題があったという。大成建設は、中国電力エネルギア総合研究所と共同で、循環式養液栽培方式を利用した壁取り付け型緑化システムを開発した。

肥料成分を含む養液をプランター上部に配置した定流量型の給水管より均一に供給し、栽培槽を浸透した養液の余剰水は底面の排水勾配と縦排水管を通してプランター外に排出され、底面に設けた水平排水管で受けてタンクに回収し、ポンプで循環利用する方式だという。

同システムでは、壁面規模に合わせて複数のプランターを縦・横方向に連結し、自由に配置できる。配水管を格納して意匠性を損なわず、維持管理作業が容易で、良好な植生が得られる。プランター上部にメッシュ状の登はん補助材を設置し、つる植物を繁茂させて壁面を安定的に緑化する。

循環利用により、養液や水道の使用量を抑えることができ、従来の人手による粒肥散布や連続給水に比べ、15%程度のコスト削減が見込める。暑熱緩和効果では、北東面にて、夏期晴天日に壁の表面温度が平均約1℃(最大1.5℃)緩和された、緑化の有効性が確認されている。

昨年10月より実施している大成建設技術センターでの試験において、植物の生育状況、給排水設備の作動状況、給水量や施肥量等の管理状況、暑熱緩和効果など、2年計画で有効性を検証中とのことだ。

循環式養液栽培方式を用いた壁取り付け型緑化システムを開発

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