いきなりニューラルネットワークを構築

最強棋士に勝利し注目が高まっているAI。人間のように知的な情報処理は、言語翻訳や旅行案内から金融商品のリコメンドへ、そして生産設備の予防保守や物流拠点での仕分作業、不公正取引の監視、画像解析による人物特定にまで、適用が進み始めている。

AIの基盤となる機械学習(ML)のなかでも、人間の脳の働きを摸したニューラルネットワークを用いてする深層学習(Deep Learning)が、昨今の進化の鍵になっている。脳機能のモデル化では、神経細胞のシナプスがつながっていく仕組みを数学的に表現、つまり高度かつ膨大なプログラミングが必要になる。

ディープラーニングは、従来型MLよりも高い汎用性を備えていて、画像や音声認識にとどまらず、信号処理、ロボット制御など広範囲な対象に応用されている。これまでMLの利用が見られなかった領域でも新たな提案が生まれ、開発者も急増しているという。ソニーは、ディープラーニングのプログラムを生成できる統合開発環境「コンソールソフトウェア:Neural Network Console」の無償提供を本日より開始した。

6月に実施したディープラーニング開発のためのコアライブラリ「Neural Network Libraries」のオープンソース化に次ぐ快挙である。今回の無償提供により、プログラムエンジニアやデザイナーは、本格的なGUIを持つディープラーニング統合開発環境であるコンソールソフトウェアを用いることで、直感的なユーザーインターフェースで、ニューラルネットワークの設計、学習、評価などを効率的に行いながらディープラーニングのプログラムを開発し、各種製品やサービスに搭載できるようになるという。

さらには関数が苦手、あるいはプログラミング言語を知らない人たち、ディープラーニングの初心者でも、コアライブラリの機能を視覚的に確認しながら短期間で技能の習得が可能になるとのことだ。