みんなでモノやコトを共有する、シェアリングエコノミーはいま世界で拡大の一途である。既存の大企業にも影響を与え、過去に成功を収めたビジネスモデルの見直しを促している。
とくに海外のコンシューマ市場において、その影響は顕著であり、いわゆるグローバル企業に事業変革を迫っている。
カーシェア、ライドシェアがその最たるものだろう。車の需要と販売台数がリンクしなくなる――。トヨタ自動車は、トヨタ販売店向けのカーシェア事業用アプリを開発し、米国ハワイ州のトヨタ販売店、Servco社と実証事業を開始。Servco社では既に先月から試験的な運用を開始していて、今年後半からはホノルルで一般客向けのカーシェア事業を本格稼動させる予定とのことだ。
同アプリは、スマートフォンによるドアの開閉システムである「スマートキーボックス(SKB)」を用いたドアロックの開閉などの機能に加え、事業者向けに車両管理や利用者の認証、決済サービスといった機能を有する。
トヨタがモビリティの管理、利用、分析など様々な機能を包括的に備えたプラットフォームとして構築中の「モビリティ・サービス・プラットフォーム(SPF)」の重要なアプリケーションサービスの一つとして、開発を推進――北米におけるコネクティッド分野の戦略事業体であるToyota Connected North America, Inc.が開発および運営を受託――したものだという。
トヨタは昨年、MSPFの一機能としてSKBを開発し、このシステムを用いたカーシェアの実証実験を、米国でカーシェア事業を手がけるGetaround社とともに今年1月からサンフランシスコで展開していて、今回、ハワイ州でも実証事業を行うことで、カーシェア事業用アプリとMSPFの完成度を高めていく構えだ。