フィンテック技術で「貿易」をヘテロ結合

貿易業務のシステム化が各社もしくは業態ごとに進んでいる。現在、それぞれのシステムが独立状態であるため、企業や業態を跨ぐ情報連携は、FAXや電子メールなど、書面による手続きが中心で、おおぜいの手を介して行われることが多い。

貿易にかかるサプライチェーン全体の効率化の実現が課題になっているという。 NTTデータは、同社が事務局を務める「ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアム」を、貿易関係者である銀行、保険、総合物流、輸出入など各業界を代表する13社とともに、今月30日に発足させると発表した。

金融と情報技術(IT)の融合であるFinTech――そのコア技術のひとつであるブロックチェーンを活用し、貿易関係者における事務の手続き効率化および利便性向上を目指し、信用状取引(フェーズ1)と保険証券(フェーズ2)のPoC(理論・概念の立証)を重ねてきた。結果、貿易業務全体へブロックチェーン技術を適用することの有効性と課題が確認されたことから、広く各業態の貿易関係者の参加を仰ぎ、フェーズ3として、同技術による貿易情報連携基盤の実現に向けた検討とPoCを実施する。

コンソーシアムの活動期間は今月から来年3月(予定)。川崎汽船、商船三井、双日、損害保険ジャパン日本興亜、東京海上日動火災保険、豊田通商、日本通運、日本郵船、丸紅、みずほフィナンシャルグループ/みずほ銀行、三井住友海上火災保険、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行が参加して、「実用化に向けた課題への対応の検討」、「業務効率性を含む実業務への適用可能性検証」、「将来のシステム化の検討」等を行う。

事務局のNTTデータは、この活動を通じて、業態横断的な貿易業務における課題を解決し、同基盤の実用化につなげていく構えだ。