情報通信
日本の電子政府度は総合4位
日本政府はいま、電子政府の総合窓口「e-Gov」を運営するなどして、国民向けサービスのデジタル化を積極推進している。
平成20年にIT戦略本部が決定した「オンライン利用拡大行動計画」に基づき、各府省がその使い勝手の向上等に取り組んできた。結果は世界的に見てどうなのだろう。
「e-Gov」の進捗や使い勝手はこのポータルサイトを訪れればわかる。けれどそれ以外の状況は、と首を捻る人たちに、早稲田大学電子政府・自治体研究所が現状を解説する。同研究所は、国際CIO学会傘下の世界主要大学と提携して「世界電子政府進捗度ランキング調査2017」を発表。今回それは、世界のICT(情報通信技術)先進国を中心に65か国が対象となっていて、研究活動13年目の成果として世界中の関心を集めているという。
今年は1位シンガポール、2位デンマーク、3位米国。総合4位の日本は、部門別指標の「行政管理の最適化」および「政府CIO」の2項目で1位、「電子政府振興」で2位になっている。
総合ランキング5位~10位はエストニア、カナダ、ニュージーランド、韓国、英国、台湾の順だ。
去年の5位から4位にランクアップした日本の評価について、PDCAサイクル重視やIT戦略本部をコアに各省にまたがる仕組みの優位性を指摘した同研究所は、「マイナンバー等スマホの利活用システム化の遅れ」、「東京五輪に向けてサイバーセキュリティ対策に注力しているが、世界最先端IT国家への道はまだ遠い」、「英語による国際PRが圧倒的に不足」といった課題分析をしている。
「電子申請一本化を5年以内に実現」、「第3者機関による透明かつ公正、客観的な戦略評価」、トップ3国の施策を見習うほかに、IoT・AI技術の早期導入、本格的な行財政改革を徹底すべきだとしている。提言の土台、レポートの全文(英語)は同研究所ウェブに公開されている。