業界リーダーの知見+インサイトパッケージにて電力管理

東京オリンピック・パラリンピックの年4月、政府推進の「電力システム改革」の総仕上げとして「発送電分離」が行われる。大手電力会社は送配電部門を分社せねばならない。

経済産業省 資源エネルギー庁の平成28年資料「電力・ガス産業の将来像」には、それによる事業環境の変化として、エネルギー間や地域間の「垣根」の消滅、新規参入の活発化、事業主体の多様化といったことが予測されている。エネルギーシステムの変革自体、その背景には電力・ガス事業の経営リスクのさらなる高まり、他方でIoT(Internet of Things)やAI(人工知能)を活用した新サービスとかグローバル展開といった成長性があり、ビジネスバリューチェーンが変容していく可能性を秘めているという。

新たな事業環境への対応を迫られるなか、NECは、顧客向けサービスや環境対策にてエネルギー業界のリーダーである米国コミュニティ所有のサクラメント電力公社(SMUD)、同国最大の電力会社やSMUDなどにデータ分析アプリ等を納入しているSpaceTime Insight社とともに、電力事業者向けスマートエネルギーソリューションの提供を開始した。3社は一昨年に協業を発表していて、日本をはじめアジア太平洋地域(APAC)や米国市場をターゲットにしたビジネス展開を検討――。今回、各社の専門性や技術をNECがパッケージ化して、日本国内の電力事業者向けに、運用の効率性を高める「設備管理高度化ソリューション」を提供する。

今後、電力小売事業者向けに分散電源やエネルギーマネージメント等を組み合わせた「エネルギー利用を効率化するソリューション」も提供予定であり、'19年度以降これらをAPACやグローバル市場にも展開するという。3社は、長期的視点でビジネスおよび技術開発を進め、グローバル展開する事業者のさらなる経営効率化とビジネスモデル変革に寄与していく構えだ。