日本企業の管理職は合理的? 企業経営に関して日英に違い

東北大学は、日本人を対象にした、企業経営における認知スタイル(直観性・合理性)と職階の関係性を調査した結果を発表。英国企業の管理職は「直観的」、日本企業の管理職は「合理的」であると判明した。両者の違いは、文化の違いにあると説明する。

東北大学加齢医学研究所の杉浦元亮 教授と博士課程学生の影山徹哉が発表。この研究の成果は、2017年7月発行のオンライン学術雑誌「Frontiers in Psychology (Section: Organizational Psychology)」に掲載された。

同研究グループでは、日本人ビジネスパーソン1,600人を対象に認知スタイルと職階の関係性に関する調査研究を実施した。その結果、職階が上がるにつれて合理的になることが分かった。英国企業では職階が上がるにつれて直観的になると言われており、今回の調査は真逆の結果となった。

これまで、企業経営においては「直観的な認知スタイル(直観性・合理性)がより重要である」と言われ、80年以上にわたって欧米諸国を中心に研究されてきた。

また、認知スタイルと職階に関する研究も行われてきた。それによると「職階が上がるにつれて直観的になる」ことが研究により明らかになっている。例えば、英国企業の管理職は直観的なマインドを持ち、そのことが企業業績と関係があると言われてきたという。

今回、日本人ビジネスパーソンを対象に調査したところ、日本人の管理職は合理的なマインドを持つことが分かった。また、職階が上がるにつれて、より合理的になることが明らかになった。

「英国企業では職階が上がるにつれて直観的になる」と言われており、真逆の結果になった。東北大学によると、認知スタイル(直観性・合理性)と職階の関係性について文化差があることを世界で初めて実証したという。

今回の調査では、30代から60代の企業に勤める日本人ビジネスパーソン1,600人が対象。職階を上級管理職(経営管理者層)、中級管理職(各部門長)、下級管理職(主任クラス)、従業員に分類した。Web調査会社に依頼してデータをサンプリングした。